産後、体型が戻らないことが気になり始めると「食事をプロテインに置き換えれば早いのでは」と考えたくなります。実際、置き換えダイエットの情報は検索すればいくらでも出てきます。
ただ、授乳中かどうかで話の前提がまったく変わります。この記事では、産後・授乳期にプロテインを置き換えに使うことをどう考えればいいのかを、編集部が整理しました。
先に結論:授乳中の「置き換え」は向きません
理由はシンプルで、授乳期は必要量が増える時期だからです。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、授乳婦に対して次の付加量が示されています。
| 項目 | 授乳婦の付加量(1日あたり) |
|---|---|
| エネルギー | +350kcal |
| たんぱく質 | +20g |
| 鉄 | +2.5mg(推奨量) |
| カルシウム | 付加量なし(通常量の確保が必要) |
つまり授乳中は、授乳前より多く必要になっている状態です。ここで1食をプロテイン1杯(おおむね100〜130kcal)に置き換えると、たんぱく質は確保できても、エネルギー・鉄・脂質・ビタミン類がまとめて落ちます。
体重が落ちたとしても、それは必要なものまで削った結果であることが多く、母体の回復や母乳の分泌に影響が出る可能性があります。授乳中の減量は、量を絞る方向では設計しないのが基本です。
授乳自体がエネルギーを使っている
見落とされやすいのですが、授乳そのものが1日あたり数百kcal規模のエネルギーを消費します。上の表で+350kcalの付加量が設定されているのは、母乳生成分を差し引いても体重が減りすぎないように設計されているためです。
裏返せば、授乳を続けているだけで、産前と同じ食事量なら体重は緩やかに戻る方向に働くということです。急いで摂取量を削る必要性は、思われているほど高くありません。
では産後のプロテインはどう使うか
置き換えではなく、足りていないところを埋める使い方が適しています。産後に起きやすいのは「食べる時間がなくて1食が菓子パンやおにぎりだけになる」というパターンで、このときエネルギーは入っていてもたんぱく質が極端に少なくなります。
この形なら理にかないます。
- 朝食がパンだけ → プロテインを1杯足す
- 昼が抱っこのまま片手で食べるおにぎり → プロテインを1杯足す
- 間食がお菓子になりがち → 一部をプロテインに替える
いずれも減らすのではなく、足りない栄養素の側を上げている点が置き換えとの違いです。
卒乳後は考え方が変わる
授乳が終われば付加量の前提はなくなります。この段階であれば、一般的な体重管理の考え方に戻して構いません。ただしその場合も、極端な食事量の削減ではなく、たんぱく質を確保しながら全体を整えるほうが、筋肉量を落とさずに済みます。
ダイエット中のプロテインの使い方そのものはダイエット中に期待できるポイントをまとめた記事で解説しています。
産後にプロテインを選ぶときの注意点
授乳中に限っては、通常のプロテイン選びに加えていくつか確認項目が増えます。
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| カフェインの有無 | 抹茶・紅茶・コーヒー系フレーバーは原材料由来で含む |
| ホエイ/ソイの別 | ソイは大豆イソフラボンの上乗せ摂取に注意 |
| WPIかWPCか | 乳糖でおなかがゆるくなる場合はWPIが負担少 |
| 1杯のカロリー | 「足す」使い方では低すぎる必要はない |
とくに4つ目は、ダイエット向けの選び方と逆になる点です。授乳中に足す目的で飲むなら、カロリーの低さを優先する理由はありません。
各項目の詳細は授乳中のプロテインの選び方にまとめています。
体重が戻らないときに先に見たいこと
産後の体重は、食事量以外の要因で動きにくくなっていることがよくあります。順番としては、食事を削る前にこちらを確認するほうが現実的です。
- 睡眠:まとまって眠れない時期は食欲の調整が効きにくくなります
- 水分:授乳中は必要量が増えます。不足すると代謝も落ちます
- たんぱく質:不足したまま体重だけ落ちると筋肉から減ります
- 骨盤まわり:体重が同じでも見え方が変わる部分です
体重の数字より先に、こうした土台が整っているかを見たほうが、結果的に近道になることが多いです。
よくある疑問
プロテインを飲むと太りますか?
プロテイン自体に太らせる作用はありません。総摂取エネルギーが増えれば体重は増えますが、1杯100〜130kcal程度であれば、間食の置き換えとして使う限り増加要因になりにくい水準です。
いつから飲み始めていいですか?
開始時期に決まった基準はありません。ただし産後すぐは体調の変動が大きいため、産後健診で経過を確認してもらってからのほうが安心です。
1日何杯までにすべきですか?
食事の補助として使う前提なら1〜2杯が目安です。それ以上必要と感じる場合は、食事側が不足している可能性が高いので、まず食事の内容を見直してください。
まとめ
授乳中にプロテインを置き換えとして使うのは向きません。授乳期は必要量が増えている時期で、削る方向の設計と噛み合わないためです。
一方で、食事が偏りがちな時期に不足分を足す使い方であれば、無理なく取り入れられます。体重そのものは、授乳を続けていれば緩やかに戻る方向に働きます。
産後の経過に不安がある方、持病のある方、服薬中の方は、開始前に医師・助産師にご相談ください。
成分やフレーバーを具体的に確認したい方は、ULTORA公式サイトで原材料表示と栄養成分をチェックできます。
※本記事は一般的な情報の整理であり、診断・治療・個別の栄養指導に代わるものではありません。体調や体重に関する判断は必ず医療機関にご相談ください。


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